葉状腫瘍とは?
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葉状腫瘍とは?
葉状腫瘍は、乳腺に発生する比較的稀な腫瘍です。この腫瘍は、大きく「良性・境界性・悪性」の3つタイプに分類されます。線維腫瘍よりもやや高齢の35~55歳の女性に多く発症する疾患です。しこり(腫瘤)は2~3cmを超える大きさであることが多く、時にはさらに大きいサイズになることもあります。
乳がんが乳腺の腺管上皮から発生するのに対して、葉状腫瘍は間質細胞が腫瘍化することがわかっています。しかし、なぜ腫瘍化するのかなど、根本的な原因は医学的にまだ解明されていません。
葉状腫瘍の症状
乳房に、急速に大きくなるしこりが現れます。数カ月で10cm以上の腫瘤になることもあります。しこりは、触るとやや硬く、よく動く楕円形で、周囲との境界がはっきりしています。
分葉状(葉っぱのような構造)に大きくなっていくのが特徴で、しこりが大きくなると、乳房の形や大きさが違ってくるのが見た目でわかるようになります。
葉状腫瘍の検査と治療
線維腺腫と葉状腫瘍の違い
良性でも再発を繰り返すと要注意
良性であっても局所再発をすることがあり、局所再発を繰り返すうちに悪性度が増すものもあるため注意が必要です。このため摘出にあたっては余裕をもった広範囲切除をおこないます。
基本的に、予後は良好ですが、悪性の葉状腫瘍では肺などに転移することがあり、この場合、乳がんと違って抗がん剤も効果が期待できないため予後不良となってしまいます。
監修:まゆ乳腺クリニック 高木まゆ