完全
予約制

お電話でのお問い合わせ
022-398-8451
診察時間:9:00-12:00 / 14:00-17:00

穿刺吸引組織診(VAB)とは?
(用語説明)

更新

読み:せんしきゅういんそしきしん, センシキュインソシキシン

穿刺吸引組織診とは?

乳房の組織診(針生検)には、使用する針の太さや採取方法の違いなどで、いくつかの種類があります。その中でも多くの医療施設で実施しているのが「穿刺吸引組織診」です。マンモトーム・バコラ(いずれも商品名)という機器を用いるため、マンモトーム生検やバコラ生検と呼ばれています。

 

穿刺吸引組織診は、特殊な吸引機能がある針生検のための機器を用いておこなわれます。直径4mmほどの円筒状の針を刺し入れ、針の先端の側面にある吸引口から、その部分の組織を採取する仕組みになっています。

超音波検査やマンモグラフィ検査で、しこりや石灰化した病変の位置を確認しながらおこなうため、狙った組織を確実に摘出することができます。一度針を刺せば途中で針の出し入れをすることもなく、一度の操作で十分な量の組織を採取することができ、診断精度の高い検査となっています。

 

切開による摘出生検では数cmの切開が必要であることと比較すると、傷口もはるかに小さく、痛みも軽くなるため、患者さんの身体への負担は比較的少ない方であると言えます。

ただし、太めの針を刺すことから痛みが伴うことがあるため、局所麻酔を用いて痛みを抑えておこなうのが一般的です。傷口は4mmぐらいになりますが、検査後針を抜いてからはしばらく止血して、その後テープで固定して完了です。傷跡はほとんど残らず、1~2カ月ぐらいで目立たなくなります。場合によっては、必要に応じて1針ほど縫合することもあります。

 

検査にかかる時間は20分程度です。用いる針が太い分、1回の検査でたくさん細胞が採取できるので、がんかどうかを調べることはもちろん、がんの性質(サブタイプ分類)も確認することができます。

摘出した組織は、顕微鏡で良性か?悪性か?を診断し、がんかどうかを確認します。

穿刺吸引組織診のメリット・デメリット

(メリット)

状況に応じて超音波検査やマンモグラフィを用いて診断しますが、コア針生検で採取が困難な病変も採取して検査できます。コア針生検よりも多くの組織量が採取できるため、治療にも生かせる正確で詳しい診断が可能です。
検査は一度で済むことがほとんどです。一度の検査で正確で詳しい診断ができると診断が確定するまでの不安な時間が短くなります。診断が確定すれば、その後の生活の見通しが立ちます。仮にがんと診断された場合でも早く治療が始められます。

 

(デメリット)

コア針生検よりも太めの針を使うため、比較すると傷跡が少し大きめになる場合があります。

・保険診療の項目では手術に該当するため、費用はコア針生検よりも高額になります。

関連用語:組織診 , コア針生検

監修:まゆ乳腺クリニック 高木まゆ