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乳管内乳頭腫とは?
(用語説明)

更新

読み:にゅうかんないにゅうとうしゅ , ニュウカンナイニュウトウシュ

 

【目次】

乳管内乳頭腫とは?

乳管内乳頭腫の症状

乳管内乳頭腫の検査と治療

検診で乳管内乳頭腫の疑いがあると言われたら

乳管内乳頭腫とは?

乳管内乳頭腫は、乳管の中にできる良性の腫瘍です。この腫瘍は、基本的に非がん性のもので、35歳~55歳くらいの女性に多くみられます。研究によると、23%の女性が乳管内乳頭腫を発症すると言われていて、両乳房に同時に発症することもあります。乳管内乳頭腫は乳頭近くの比較的太い乳管に発生することが多く、乳頭から血性の分泌液が出る原因となることがあります。

 

通常、乳管内乳頭腫は良性腫瘍ですが、ごくまれにがん化することがあります。乳管内乳頭腫またはその疑いと診断された場合は、定期的な検査が必要です。

しこりの増大、微小石灰化の出現、出血の悪化は乳がん発症の兆候でもありますので注意が必要です。

乳管内乳頭腫の症状

乳管内乳頭腫の症状は、乳頭からの異常分泌が挙げられます。分泌液は、透明や薄い黄色、あるいは血液が混じった赤や褐色です。液状のものが多いですが、ゼリー状の場合もあります。また、しぼらないとわからないものから、パッドが必要なほど多量に出るものまでいろいろです。通常、痛みはありませんが、血性分泌の場合は痛みが伴う場合があります。

 

もう1つの症状は、乳頭の近くにできる小さなしこり(腫瘤)です。乳頭から離れたところに発生することもあります。

 

(主な症状)

・しこり(腫瘤)

・乳頭分泌(透明なものから、黄色や赤、褐色っぽい血液が混じる)

乳管内乳頭腫の検査と治療

乳管内乳頭腫を診断するというより、乳管内乳頭腫と乳がんの鑑別を目的に超音波検査とマンモグラフィ検査を行います。

超音波検査などでは腫瘤性の病変として認識されますが、病変が小さい場合は画像検査で描出されないことがあります。また、乳管内乳頭腫は、画像診断では非浸潤性乳管がん(のう胞内乳頭がん) との区別が難しい病変でもあります。そのため、細胞診組織診(針生検)による鑑別が必要になることがあります。組織診で乳管内乳頭腫とされた場合でも、画像診断で非浸潤性乳管がんを疑う場合には切開生検を行い、診断を確定する必要があります。

切除して初めて良性・悪性の診断が可能になる事も少なくありません。

 

乳管内乳頭腫と確定診断された場合には、ほとんどは経過観察となりますが、摘出手術が検討されることもあります。具体的には、血性分泌液が続く場合に摘出手術を行うことがあります。

手術で乳管を含めて乳頭腫を切除することで、症状も解消します。

検診で乳管内乳頭腫の疑いがあると言われたら

検診で乳管内乳頭腫の疑いがある場合は、乳がん検診で“再検査”の指示が出ます。

多くの場合は問題なく、また万が一、乳管内乳頭腫から乳がんと診断された場合でも、早期の乳がんであることがほとんどですので、再検査の指示があったら場合には、できるだけ早く一度乳腺外科を受診するようにしましょう。

監修:まゆ乳腺クリニック 高木まゆ